外国人財に長く働いてもらいたい。そう考えたとき、避けて通れないのが在留期間の更新です。更新は自動では行われず、期限が近づいてから慌てる施設も少なくありません。さらに2026年10月1日からは、更新の手数料が許可される在留期間によって手数料が変わる仕組みになりました。令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について | 出入国在留管理庁本記事では、特定技能の在留期間更新について、申請できる時期、必要な書類、手数料、そして介護施設で複数名の期限が重なるときの管理のしかたまで、出入国在留管理庁の案内に沿って整理しました。
義務的支援の全体像も、特定技能の義務的支援10項目|介護施設の実施ポイントもあわせてご覧ください。
特定技能の在留期間更新とは?時期・期間・特例期間
在留期間と更新が必要な理由
特定技能1号の在留期間は、法務大臣が個々に指定する期間で、入管庁の案内では「3年を超えない範囲」とされています。この期間が終わる前に在留期間更新許可申請を行い、許可を受けることで、引き続き同じ活動を続けられます。更新は自動ではないため、期限の管理は受入れ機関にとって大切な仕事です。
なお、解説によっては「最長1年」「4か月・6か月・1年ごと」と書かれていることがあります。付与される期間の考え方は見直されることもあるため、最新の入管庁の案内を基準に確認してください。
通算5年の考え方(介護は2号の対象外)
特定技能1号は、在留できる期間が通算で原則5年以内である必要があります。そのため、これまでの通算在留期間によっては、希望する在留期間が付与されない場合があります。通算に含まれる期間や5年を超えて在留できる場合については、入管庁の通算在留期間のページで確認できます。(出入国在留管理庁 通算在留期間)
介護分野は、特定技能2号の対象外です。5年の先も働き続けてもらうための道筋(介護福祉士の取得など)は、特定技能「介護」5年後のキャリアと介護福祉士ルートで整理しています。更新を重ねる前から、見通しを一緒に描いておくことが、外国人財の安心につながります。
申請できる時期と標準処理期間
更新の申請は、在留期間が満了する日以前に行います。在留期間が6か月以上の外国人財は、満了の概ね3か月前から申請できます。入院や長期の出張など特別な事情がある場合は、3か月以上前から受け付けられることもありますので、事前に管轄の出入国在留管理官署へ相談してください。申請先は、外国人財の住居地を管轄する官署です。標準処理期間は、2週間から1か月が目安です。
たとえば在留期限が2027年6月30日の場合、申請できるようになるのは2027年3月末ごろです。書類の準備には時間がかかるため、受付が始まる前から準備を進めましょう。
審査中に期限を迎えた場合(特例期間)
満了日までに更新を申請して結果が出ない場合は、結果が出る時、または在留期間の満了日から2か月が経過する日のいずれか先に迎える日まで、これまでと同じ在留資格で同じ活動(就労)を続けられます。これが「特例期間」です。(出入国在留管理庁 特例期間について)
なお、システム上は満了日の当日でもオンライン申請自体は可能ですが、万が一入力ミスや添付書類の不備、システムエラーなどが発生した場合、その日のうちに再申請が間に合わなければ、即座に不法滞在(オーバーステイ)となってしまいます。取り返しのつかない事態を防ぐためにも、当日の申請は絶対に避け、余裕をもって準備しましょう。
更新で提出する書類と、事前に済ませたい手続き

更新に必要な提出書類の全体像
更新申請では、次のものを用意します。
- 在留期間更新許可申請書出入国在留管理庁 特定技能関係の申請・届出様式一覧からダウンロードできます)
- 写真1枚(※入管の案内には「1葉」と記載されています)
- 外国人財のパスポートと在留カード
- 入管庁の「特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表」に沿った書類
提出書類一覧表は、(1)申請人に関する書類(第1表)、(2)所属機関に関する書類(第2表)、(3)分野に関する書類(第3表)で構成されています。更新で使う第3表は、介護の場合「全分野(農業・漁業を除く)」のファイルです。一覧表は随時改定されるため、注意が必要です。
また、入管庁の提出書類一覧表では、在留期間更新許可申請では第2表は不要とされています。登記事項証明書や納税証明書など、受入れ機関の状況を示す書類は、更新申請の提出書類には含まれません。新しく受け入れる際(認定申請)や、他の在留資格からの変更で必要になる書類と混同しないよう注意してください。解説記事の中には、これらの書類が混ざって掲載されているものもあります。
外国人財本人の書類は、早めに案内を
更新では、会社が用意する雇用契約書・雇用条件書の写しなどに加えて、外国人財本人の納税や保険料の納付状況を示す書類が中心になります。たとえば、次のようなものです。
- 個人住民税の課税証明書・納税証明書(直近1年度分)
- 給与所得の源泉徴収票の写し
- 国民健康保険・国民年金の納付に関する書類(加入している場合)
本人が市区町村や年金事務所で取得する書類が多く、本人の協力が欠かせません。過去1年以内の申請で提出済みの書類は、省略できる場合もあります。必要な書類は、最新の提出書類一覧表(第1表)で確認し、取得の方法を本人の言語で伝えておくと手戻りが減ります。
更新前に済ませたい「協力確認書」
協力確認書は、外国人財との共生施策に協力する旨を、市区町村へ確認する書類です。すでに特定技能外国人を受け入れている機関は、2025年(令和7年)4月1日以降、初めて在留資格変更許可申請または在留期間更新許可申請を行う前に、提出する必要があります。
提出先は入管庁ではなく、外国人財が活動する事業所の所在地と、住居地がある市区町村です(それぞれが別の自治体なら、それぞれに提出します)。様式と提出方法は自治体ごとに違うため、各市区町村のホームページで確認してください。
更新の申請書には、協力確認書の提出年月日と提出先を記載する欄があります。入管庁へ、協力確認書の写しや受理の証明を提出する必要はありません。一度提出すれば、同じ事業所で活動する他の外国人財の申請時は不要ですが、事業所の所在地や住居地、担当者の連絡先に変更が生じた場合は改めて提出します。(出入国在留管理庁 地域の共生施策に関する連携)
在留期間更新の手数料の変更

許可される在留期間で変わる新しい手数料
2026年10月1日以降に受け付けた申請から、更新の手数料は許可される在留期間に応じて、以下のように変更になりました。
| 許可される在留期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
※オンライン申請では、上記の手数料とは別に決済手数料がかかります。金額や納付方法は申請時に最新の案内をご確認ください。
2026年9月30日までに受け付けた申請は、許可が10月以降になっても改定前の手数料(窓口6,000円、オンライン5,500円)です。なお手数料は、許可を受ける外国人財が納付するものとされています。実際の負担のしかたは、事前に本人と確認しておくと安心です。
複数名を更新する場合の目安(試算)
介護施設では、同じ時期に入職した複数の外国人財の更新が、同時期に重なることがあります。5名の更新を同時に行い、全員が同じ期間で許可された場合の目安は、次のとおりです。実際に許可される在留期間は個別に指定されるため、あくまで試算です。
| 許可される在留期間 | 窓口申請(5名) | オンライン申請(5名・決済手数料込み) |
|---|---|---|
| 3月超6月以下 | 90,000円 | 76,650円 |
| 1年 | 165,000円 | 136,650円 |
※オンライン申請の金額は、申請手数料と決済手数料を含む5名分の合計です。実際の金額は申請時の案内をご確認ください。
オンライン申請の合計は、1名あたりの決済手数料(330円)を含めた金額です。
オンライン申請納付方法の変更について
オンラインで申請した場合の手数料は、収入印紙ではなく、コンビニ決済または銀行決済で納付します(クレジットカードやQRコード決済は利用できません)。審査完了のメールが届いたあとに、決済の案内メールが届きます。決済手数料が別途かかり、1年の許可なら330円、3年以上5年未満・5年以上の許可なら550円です。
複数名を同時に申請する場合も、手数料は申請ごとに個別に支払います。まとめて支払うことはできません。窓口で申請した場合は、これまでどおり収入印紙で納付します。
決済の案内メールは、入管庁が指定した事業者のアドレスから届きます。それ以外のメールアドレスから納付を求められた場合は、詐欺の可能性があるためリンクを開かないでください。
更新の申請は誰がするのか

自社の職員が提出するには
在留期間更新許可申請は、特定技能外国人本人が自分で行うほか、承認を受けた申請等取次者が、本人の依頼を受けて提出できます。受入れ機関の職員が提出するには、あらかじめ地方出入国在留管理局長から、申請等取次者としての承認を受ける必要があります。承認の手続きには研修会の受講などが必要になり、時間がかかります。更新の時期が近づいてから慌てて取得するのではなく、早めに社内の担当者を決めて、承認の手続きを進めておきましょう。
ここで押さえておきたいのは、取次者ができるのは書類の提出などの事実行為までという点です。申請人として署名したり、記載内容をその場で訂正したりすることはできません。書類は、提出する前に完成させておく必要があります。(出入国在留管理庁 申請等取次制度 )
申請書の署名について
更新の申請書の署名欄は「申請人(法定代理人)の署名」です。会社の職員が代わりに署名することはできません。外国人財本人に署名してもらう必要があります。更新の準備では、この署名の段取りが抜けやすいため、本人が就労している期間のうちに署名を済ませておくようにしましょう。
書類作成を依頼できる先
報酬を得て、官公署に提出する書類の作成を業として行えるのは、行政書士や弁護士など、法律で認められた者に限られます。登録支援機関に委託できるのは、1号特定技能外国人支援計画の実施であり、在留申請の書類作成はそこに含まれません。書類の作成を専門家に依頼する場合は、行政書士などと連携して進めます。
更新の時期が重なって手が回らない、誰が提出するかが決まっていないといったお悩みは、まずは現状をお聞かせください。3,000人以上の外国人財を受け入れてきた経験をもとに、現場に寄り添ってご相談をお受けします。
更新の準備スケジュールとチェックリスト
3か月前から逆算する準備の目安
法令上の期限は、在留期間の満了日までです。次の日程は、無理なく準備を進めるための目安です。

自社向けチェックリスト
※必要書類や申請時期は個別の状況によって異なる場合があります。申請前に最新の案内をご確認ください。
委託先への確認ポイント
※申請の取次を委託先に依頼する場合は、担当者が必要な承認を受けているか、事前に確認しましょう。
期限が重なる施設の管理のしかた
同じ時期に入職した外国人財が複数いる介護施設では、更新の時期も重なりがちです。氏名・在留期限・申請を始められる日・通算在留期間・本人書類の準備状況・提出者を、1つの一覧表で管理しておくと、抜け漏れを防げます。
複数名を同時に申請する場合は、申請取次者を介して窓口申請する際に必要となる「申請人名簿」の用意も必要です。また、手数料は申請ごとに個別に支払うため、人数分の決済にスムーズに対応できるよう担当者を決めておきましょう。
なお、更新手続きとは別に、受入れ企業には四半期に1回(年4回)の定期届出を行う義務もあります。特定技能の定期届出の記事もあわせてご確認ください。
更新は、「これからも日本で働き続けたい」という気持ちを確かめ合う機会でもあります。ASCare(アスケア)では生活・仕事・学習・感情の4つの面から、介護経験のあるスタッフが外国人財に寄り添う定着支援を行っています。更新の時期だけでなく、日々の積み重ねが外国人財と施設の信頼を育てていくと考えています。
まとめ
特定技能の在留期間更新は、早めの準備が大切です。要点を振り返ります。
- 申請できるのは満了の概ね3か月前から。混雑により審査に1か月以上かかることもあるため早めに動く
- 更新では所属機関の書類(第2表)は原則不要。ただし本人の納税・保険関係の書類は早めに案内する
- 既に受け入れている機関は、更新の前に「協力確認書」の市区町村への提出状況を確認する
- 2026年10月1日以降、手数料は許可される在留期間で変動。オンライン申請はコンビニ・銀行決済となる
- 窓口申請には自社職員の取次者承認が必要(オンラインなら不要)。申請書の署名は必ず本人が行う
期限を一覧で管理し余裕をもって準備を進めることが、外国人財との安心につながります。更新の進め方に迷ったときは、教育から紹介、定着までを一気通貫で支えるASCareに、まずは無料の資料請求からお気軽にご相談ください。
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