「外国人の介護士を受け入れてみたいけれど、うちの施設で本当にうまくやっていけるのだろうか…?」
そう感じている施設長や管理者の方は、少なくありません。初めての外国人介護人財の受け入れには、誰もが不安を抱くものです。日本語は通じるのか。利用者が嫌がらないか。教える余裕はあるのか。どれもごく自然な心配です。
この記事では、外国人介護士の受け入れにあたってよく聞く5つの不安と、その具体的な解決策をまとめました。累計3,000人以上の外国人財を受け入れてきた現場の知見をもとに、実際に起きることと対処法をお伝えします。
外国人人財の活用全般についてまず全体像を押さえたい方は「 https://www.as-care.co.jp/gaikokujinzai/column/column-article/」(【完全ガイド】介護現場での外国人人財活用:まずは抑えるべき外国人人財活用の基本)の記事も要チェックです。
外国人介護士の受け入れは本当に増えているのか
受け入れ数の推移
中でも特定技能「介護」の伸びが顕著で、約5万5,700人(2026年1月時点)に達しています。外国人財の受け入れは、もはや一部の先進的な施設だけの取り組みではありません。
外国人介護人財の数は、年々大きく増えています。2025年10月末時点で、医療・福祉分野の外国人労働者数は14万6,105人。前年比25.6%増で過去最多を更新しました(厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」2025年10月末)。
なぜ今、外国人財なのか
背景にあるのは、国内の介護人財不足です。2040年度には約57万人が足りなくなるという推計があります。日本人の採用だけでは間に合わない施設が増える中、外国人財の受け入れは「やるかどうか」ではなく「いつ、どう始めるか」を計画的に考えるフェーズに入っています。
特定技能には分野ごとに受入れ見込数の上限があり、「外食業」では上限到達により2025年4月13日以降の新規受付が停止されました。介護分野の上限126,900人に対して在留者数はすでに50%超。枠には限りがあるため、計画的に準備を進めておくことが重要です(出入国在留管理庁「特定技能の受入れ見込数等について」)。
不安①「日本語が通じないのでは?」
外国人介護士の受け入れを検討する施設から、最も多く聞く不安がこの点です。しかし実際には、特定技能の外国人は入職時点で日本語能力試験N4以上に合格しています(特定技能「介護」の制度については「特定技能「介護」とは?制度の仕組みと受け入れ条件をわかりやすく解説」で詳しく解説しています)。
入職時の日本語レベルはどの程度か
N4は「基本的な日本語を理解できる」レベルです。日常的な声かけ(「お食事ですよ」「右手を上げてください」)はしっかり通じます。ただし、介護記録の作成やご利用者のご家族との込み入った会話は、入職直後にはまだ苦労する場面があるのも事実です。
N3(日常的な日本語がほぼ理解できるレベル)で入職する人財も増えています。大切なのは、来日前教育に力を入れている紹介元を選ぶことです。丁寧な教育を受けてから現場に入ることで、この不安は大きく軽減されます。
現場で実際に困る場面と対処法
3,000人以上の受け入れ実績から見ると、日本語で困る場面は限られています。
- 申し送り: 口頭だけでなく、要点を書面やホワイトボードでも共有する
- 介護記録: 最初はテンプレートを用意し、定型文で書ける仕組みにする
- 緊急時: 対応フレーズ(「○○さんが転倒しました」など)を一覧にして携帯させる
いずれも特別な投資は不要で、「やり方を少し変える」レベルの工夫です。こうした小さな積み重ねが、安心して働ける現場をつくっていきます。
不安②「利用者や家族が拒否反応を示すのでは?」
厚労省調査の実態
厚生労働省の調査によると、外国人介護人財の介護サービスに「満足」と回答したご利用者は65.1%。「満足できない」と答えたのはわずか2.1%でした(厚生労働省「外国人介護人材の受入れに関する調査」2020年)。
実際に接してみると、外国人介護士の丁寧な対応や明るい人柄に好印象を持つご利用者が多くいらっしゃいます。「最初は心配だったけれど、今では指名する利用者もいる」という声は珍しくありません。
受け入れ初期に有効な3つの工夫
ご利用者の不安を和らげるために、受け入れ初期にやっておくと効果的なことが3つあります。
① 事前の説明会 ご利用者とご家族に「外国人スタッフが入ります」と事前に丁寧に説明する場を設けます。突然の変化は不安を増幅させるものです。
② 顔合わせの機会 業務に入る前に、挨拶や簡単な自己紹介の場を作ります。名前と顔が一致するだけで、安心感は大きく変わります。
③ 最初は日本人とペアで配置 いきなり一人で担当させるのではなく、最初の1〜2ヶ月は日本人職員とペアで動く体制にします。ご利用者も外国人スタッフも、双方が安心できる環境になります。
こうした丁寧な準備が、信頼の土台になります。
不安③「教育する余裕が現場にない」
人手不足だから外国人財を採用したいのに、その教育をする余裕もない。矛盾しているようですが、多くの施設が感じている本音ではないでしょうか。
受け入れ前教育で解決できること
この問題を解消するカギは「入職前の教育」にあります。来日前に介護技術と日本語を学んだ状態で配属されれば、現場の負担は大幅に軽減されます。
ASCareでは、即戦力育成型の教育プログラムを採用しています。来日前に最大6ヶ月間の教育期間を設け、介護の基礎技術、日本語(介護現場で使う表現を含む)、日本の生活マナーまで丁寧に学んでから入職します。「ゼロから教える」負担が発生しない仕組みです。
OJTの負担を減らす仕組み
入職後のOJTも、工夫次第で負担を抑えられます。
- チェックリスト方式: 業務を細分化し、できることを一つずつ増やす。教える側も「次は何を教えるか」が明確になります
- 動画マニュアル: 繰り返し教える内容(ベッドメイキング、車椅子移乗など)は動画にしておきます
- メンター制度: 教育担当を1人決め、属人化させない体制をつくります。メンターには手当をつけるのが望ましいです
受け入れ前の教育と現場の仕組みづくり。この2つを計画的に進めることが、教育負担を最小限に抑えるカギです。教育・研修の進め方についてさらに詳しく知りたい方は「外国人介護士の教育・研修はどう進める?即戦力化のポイント」もご覧ください。
「受け入れ体制をどう整えればいいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。現場を知るスタッフが、貴施設に合った体制づくりを一緒に考えます。
不安④「すぐ辞めてしまうのでは?」
「せっかく採用しても、すぐに辞められてしまったら…」。この不安を抱える施設も少なくありません。
外国人介護士の離職の主な原因
外国人介護士が離職する原因は、待遇面よりも「孤立感」であることが多いといわれています。
- 日本人スタッフとの人間関係がうまくいかない
- 生活面の悩み(住居、買い物、銀行手続きなど)を相談できる相手がいない
- キャリアの見通しが立たない(「5年後にどうなるのか」がわからない)
だからこそ、紹介して終わりではなく、入職後の定着支援が欠かせません。
定着率を上げるために事業者ができること
ASCareでは、外国人財の定着を「生活・仕事・学習・感情」の4つの軸で支援しています。
軸 具体的な支援内容 生活 住居・生活ルール、行政手続き、銀行口座開設のサポート 仕事 面談を通じて職場の人間関係への寄り添い 学習 日本語学習の継続支援、介護福祉士取得に向けた学習計画 感情 定期面談、母国語で相談できる窓口、交流機会 定着支援のスタッフには介護現場の経験者を配置しています。現場を知らない人のアドバイスではなく、介護の実務を理解した上で寄り添う。その姿勢が、外国人財からの信頼につながっています。定着率の改善策をさらに掘り下げた記事「外国人介護士の定着率を上げる方法|離職を防ぐ5つの取り組み」もあわせてご覧ください。
不安⑤「手続きが複雑でわからない」
在留資格の申請、支援計画の策定、届出書類の提出。確かに手続きは多く、不安になるのは当然です。
外国人介護士の受け入れに必要な手続きの全体像
特定技能「介護」で外国人財を受け入れる場合、大まかな流れは以下のとおりです(特定技能以外のルートも含めた制度比較は「EPA・技能実習・特定技能・在留資格「介護」4つのルートを徹底比較」をご覧ください)。
- 人財の選定・面接
- 雇用契約の締結
- 1号特定技能外国人支援計画の策定
- 在留資格認定証明書の交付申請(入管)
- ビザ発給・入国
- 届出(受入れ開始の届出、支援実施状況の届出など)
すべてを自社で対応する必要はありません。登録支援機関に委託すれば、3〜6の手続きを代行してもらえます。
登録支援機関を使う場合の流れ
登録支援機関とは、特定技能外国人への支援業務を事業者に代わって行う機関のことです。委託費の相場は月2〜4万円/人程度になります。
選ぶ際のポイントは3つあります。
- 介護分野の実績があるか(業種によって必要な支援が異なります)
- 母国語対応ができるか(外国人財が困ったときに母語で相談できるかどうか)
- 緊急時の対応体制(夜間や休日にも連絡が取れるか)
手続きの複雑さは、信頼できるパートナーを選ぶことで解消できます。ASCareは登録支援機関として、支援計画の策定から入管への届出、定期面談まで一括して対応しています。「何から手をつければいいかわからない」という段階からでも、安心してお任せいただける体制です。
まとめ
外国人介護士の受け入れにまつわる5つの不安を見てきました。
- 「日本語が通じない」 ― 特定技能はN4以上が必須。来日前教育が充実した紹介元を選べば、現場の負担は小さくなります
- 「利用者が嫌がる」 ― 厚労省調査で満足度65.1%。事前の丁寧な説明と段階的な配置で安心につながります
- 「教育する余裕がない」 ― 即戦力育成型の教育済み人財を採用すれば、OJT負担は最小限です
- 「すぐ辞める」 ― 離職の原因は孤立感。生活・仕事・学習・感情の4軸で定着支援する体制がカギになります
- 「手続きが複雑」 ― 登録支援機関に委託すれば、事務負担は大幅に軽減されます
不安のほとんどは、丁寧な準備と信頼できるパートナー選びで解消できます。外国人財は「急場しのぎ」の手段ではなく、共に現場を支え、共に育っていく仲間です。計画的に受け入れ体制を整え、確かな支援の仕組みをつくる。その先に、安心の続く介護現場があります。
参考リンク
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(2025年10月末)
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れに関する調査」(2020年)
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(2024年公表)
- 出入国在留管理庁「特定技能制度について」
ASCareは介護事業50年以上の歴史を持ち、累計3,000人以上の外国人財を受け入れてきました。紹介料は無料です。教育から紹介、入職後の定着支援まで一気通貫で寄り添います。



