「外国人スタッフを受け入れてみたいけれど、本当にうまくやっていけるのだろうか…?」
そう感じる施設は、少なくありません。初めての外国人介護人財の受け入れには、誰もが不安を抱くものです。
しかし実際には、外国人介護人財を採用している事業所の中には大規模・小規模さまざまな施設があり、多くが安定して受け入れに成功しています。規模にかかわらず、丁寧な準備と受け入れる側の姿勢が整えば、外国人介護人財はしっかりと力を発揮してくれます。
ここでは、「成功する施設」と「つまずきやすい施設」の違いを、具体例を交えてご紹介します。
1. 事業所での具体的成功例
実際に外国人財を導入した介護事業所の例をご紹介します。
その事業所は、深刻な人手不足に長年悩まされていました。そんなとき、知人からの紹介で、アルバイト先を探していたインドネシア出身の留学生を雇用することに。実際に一緒に働いてみると、彼らの真面目さ・丁寧さ・利用者様への温かい姿勢にスタッフ全員が感動し、留学を終えて帰国してしまうことが惜しいと感じるほどでした。
彼らにとっても「日本で働く」という貴重な経験となり、単なる人手不足の穴埋めではなく、お互いにとって価値のある出会いとなっていたのです。
意外なきっかけから始まった外国人採用でしたが、一度共に働いてみると抵抗感はなくなりました。そんな折、「外国人採用紹介料0円」という案内を目にし、特定技能外国人を受け入れることに。
雇用にあたっては、前回の経験を踏まえつつ、受け入れ準備を丁寧に進めました。特に重点を置いたのはコミュニケーションの見直しです。短い文で話す、やさしい日本語を使うなど、職員全員で工夫を重ねながら、互いに理解し合える環境づくりに取り組みました。
2. よくある失敗とその回避方法
外国人介護人財の受け入れで見られる典型的な失敗は、「採用後のフォロー不足」です。文化や言語の違いから生まれる小さな不安や誤解が、放置されることで離職やトラブルにつながるケースもあります。

失敗を防ぐためのポイントは次の通りです:
事前の面談から丁寧なコミュニケーションを
外国人スタッフの受け入れでは、事前のやり取りの質が定着率を左右するほど重要です。
ときには「緊張や遠慮して本音を言えない」などのズレが生じることがあります。たとえば、実際には自転車に乗れないのに「乗れます」と答えてしまい、業務に支障が出たケースもあります。
こうしたミスマッチを防ぐためには、
- 業務で必要なスキル・行動を明確に伝える
- 質問の意図を丁寧に説明する
- 細かい点まで双方が確認し合う場をつくる
といった「本音で話しやすいコミュニケーション」が欠かせません。
相談しやすい職場環境をつくる
外国人スタッフは、言語の壁や文化背景から、小さなことでも相談をためらいがちです。
「迷惑をかけたくない」「こんなこと聞いていいのかな…」と不安を抱えたまま働くと、トラブルや早期離職につながることもあります。
だからこそ日本人スタッフが、
- 日頃から声をかける
- 様子を気にかける
- 丁寧なフォローをする
- 小さな不安にも寄り添う
といった姿勢を持つことが大切です。
相談できる雰囲気が整うことで、早期トラブル防止・業務定着だけでなく、チーム全体の雰囲気改善にも大きく貢献します。
スタッフの語学力・理解力向上を促す
指導時には「やさしい日本語」を徹底し、専門用語は言葉の意味を正しく理解できるよう丁寧に説明することが重要です。
また、「分かりました」の一言で終わらせず、
- 本当に理解できているか
- 認識にズレがないか
- どの部分まで把握しているか
をダブルチェックする習慣をつけることで、ミスコミュニケーションは大きく減らせます。
生活面での支援を惜しまない
入国前・入国後の10項目の支援義務はもちろん、入寮時のゴミの出し方、家電の使い方、買い物の仕方など、日本での生活文化に関するサポートも欠かせません。
生活オリエンテーションは登録支援機関と連携し、行政手続きなどは日本人スタッフが同行することで、外国人スタッフが安心して生活をできる環境を整えます。
宗教上の配慮も忘れずに
外国人財の出身国や宗教によっては、勤務に関わる宗教的な習慣があります。イスラム教徒が多い国の場合、断食月(ラマダン)やヒジャブ(スカーフ)の着用、礼拝の時間などに配慮が必要になることもあります。大切なのは、無理のない範囲でこうしたニーズを理解し、対応することです。
なお、特定技能で紹介されるインドネシアのイスラム教徒の方については、送り出し機関が事前に「勤務中はお祈りをしない」「ラマダン中も業務に支障が出ないよう調整する」などをしっかり教育しているケースが多く、受け入れ側の不安が少なくなるよう配慮されています。
宗教を尊重しながらも、仕事に支障が出ないように工夫されている点は、安心材料のひとつと言えるでしょう。
これらの取り組みを丁寧に積み重ねることで、外国人スタッフが「安心して働ける職場」に変わり、信頼関係を築きやすくなります。
3. 利用者・家族・スタッフの実際の声
外国人スタッフの受け入れに不安を感じるのは、現場の利用者や家族、そして日本人スタッフも同じです。しかし、実際に働き始めてみると、「言葉の壁」よりも「心の通い合い」が強く印象に残るケースが多く聞かれます。現場の声から見えてくるのは、“外国人だから”ではなく“仲間として”支え合う関係の大切さです。
- 「最初は言葉が心配だったけれど、意外と問題はありませんでした」
- 「やる気がある、真面目な方が多く助かります」
- 「“やさしい日本語”で話すようにしたら、むしろ会話が楽しくなりました」
- 「言語の壁がある分、利用者の話を一生懸命聞いて寄り添ってくれています」
- 「休憩時間も勉強している姿を見て、 他の介護士さんも感化されて勉強を始めました」
外国人スタッフは、日々の業務や会話を通して自然に日本語を身につけながら、利用者との関係を深めています。その姿勢は利用者の方々に安心感や親しみをもたらすだけでなく、同僚にも良い刺激となり、職場全体に前向きな雰囲気を生み出しています。
高齢化が進む介護現場において、若い働き手が加わることで、介護サービスの質向上やチームの活性化にもつながっています。
成功する施設の共通点は、「外国人を受け入れる」のではなく、「ともに働く仲間として迎える」という姿勢にあります。小規模であっても、明確な理念と丁寧な準備があれば、外国人介護人財との協働は必ず実現できます。
“うちでもできる”ーその第一歩は、信頼と理解から始まります。
採用や受け入れに関わる負担を軽減し、より安定した運用を行うためには、
登録支援機関のサポートを上手に活用することがポイントです。
特定技能外国人の採用を検討されている事業者さまは、 ASCare(アスケア)までご相談ください。
経験に基づいた確かな支援で、貴社の採用を力強くサポートいたします。
厚生労働省では、介護現場で働く外国人の方々が安心して学び、成長できるよう、
さまざまな学習教材を用意しています。
日本語や介護の専門用語を学べるテキスト、介護福祉士試験対策の問題集など、
実践的な内容が多言語で整備されています。
現場でのスキルアップや学習支援に、ぜひ活用してみてください。