「外国人スタッフを受け入れてみたいけれど、言葉の壁や現場の反発を考えると、どうしても最初の一歩が踏み出せない……」
採用難が深刻化する一方で、文化や言語の違いに対する不安から、受け入れに二の足を踏んでいる施設長や採用担当者の方は少なくありません。しかし、正しい手順と受入体制さえ整えれば、彼らは人手不足を救うだけでなく、施設全体を明るく活性化させる大きな力になります。
本記事では、介護現場が外国人材を受け入れることで得られる5大メリットをはじめ、制度の選び方、よくある懸念への具体的な解決策を余すところなくお届けします。
介護施設が外国人受け入れで得られる5大メリット|現場崩壊を防ぎ経営を安定させる理由
介護現場における外国人材の受け入れは、単なる「人手不足の穴埋め」にとどまりません。現場のケア品質を高め、組織運営を盤石にする5つの大きなメリットがあります。
メリット①:若く学習意欲の高い介護人材を確保でき、慢性的な人手不足と採用難を解消できる
国内の生産年齢人口が急減するなか、若年層の日本人介護士を採用することは年々難しさを増しています。一方で、東南アジア諸国をはじめとする外国人材の多くは、20代から30代前半の活力に満ちた若年層です。
彼らは「日本で高度な介護技術を学びたい」「資格を取得して母国の家族を支えたい」という強い向上心と目的意識を持って来日します。長年若手が入職せず、職員の高齢化が進んでいた施設にとっても、組織に新しい風とエネルギーを吹き込む契機となります。
メリット②:特定技能等により最長5年以上の長期雇用が見込め、シフトの穴埋めや離職率を大幅に低減できる
せっかく採用した職員が短期間で離職してしまい、現場の教育コストが無駄になるケースは後を絶ちません。その点、在留資格「特定技能1号」であれば通算最長5年間の就労が認められています。さらに実務経験を積んで介護福祉士資格を取得すれば、在留資格「介護」への移行により、在留期限の上限なく長期的な勤務(将来的な永住申請も視野)が可能です。
数ヶ月から年単位で確実な人員配置が見通せるため、「突然の欠員で毎月シフトの組み直しに追われる」「毎年のように新人研修をゼロからやり直す」といった現場管理者の負担を大幅に軽減できます。
メリット③:高齢者を敬う高いホスピタリティと真面目な姿勢が、既存の日本人スタッフの労働意欲を刺激する
インドネシア、ミャンマー、ベトナムなどの東南アジア地域には、家族を大切にし、地域の高齢者を深く敬愛する文化が日常的に根付いています。介護業務を単なる作業ではなく「人生の先輩への尊いお世話」として捉え、常に笑顔を絶やさず、温かいスキンシップを交えてケアにあたる姿は利用者からも好評です。
外国人スタッフがひたむきに利用者と向き合う姿勢は、多忙な日常業務で疲弊していた日本人職員にとっても「介護の本質」を思い出すきっかけとなり、職場全体のモチベーション向上や離職防止に好影響を与えます。
メリット④:高騰し続ける人材派遣や中途採用の紹介料依存から脱却し、年間数百万円単位の採用コストを削減できる
慢性的な人手不足を補うため、日本人派遣介護士を常時雇用している施設では、1人あたり月額40万〜50万円以上(年間500万〜600万円規模)の費用が発生しているケースが少なくありません。
特定技能などの外国人材を直接雇用へ切り替えた場合、初期の採用渡航費や登録支援機関への月額支援委託費を合算しても、1人あたりの人件費は年間300万〜350万円前後に収まります。派遣職員を段階的に自社の直接雇用へ移行させることで、年間数百万円単位の人件費・採用コストの圧縮が現実的に可能です。
令和7年外国人雇用実態調査公表、外国人雇用実態調査公表、外国人雇用実態調査調査結果、令和7年外国人調査公表、令和7年外国人調査結果|厚生労働省
メリット⑤:多文化共生を取り入れた先進的な介護施設としての認知が高まり、地域や入所希望者への信頼につながる
外国人材を計画的に受け入れ、定着させている施設は、「教育・マネジメント体制がしっかり確立された先進的な事業所」として業界内外からの評価を高めます。
「人手不足で受け入れ制限を行っている施設」ではなく、「多様な人材が活躍し、手厚いケア体制を安定供給できている施設」としてブランド価値が向上するため、地域包括支援センターやケアマネジャーからの紹介、入所希望者やその家族への安心感へと直結します。
外国人介護士の受け入れについては以下の記事も読まれています。
外国人受け入れのメリットを最大化する4つの主要制度|自施設に最適なルートの選び方
外国人介護人材を受け入れる枠組みには、主に4つのルートが存在します。施設の規模、求める即戦力性、育成体制に合わせて最適な選択肢を見極めることが重要です。
| 制度・ルート | 主な在留資格 | 特徴 | 人員配置基準・夜勤対応 |
|---|---|---|---|
| 特定技能 | 特定技能1号 | 技能・日本語試験の合格者。 即戦力として期待できる主流制度。 |
就労初日から算定可能 ※習熟度に応じて早期夜勤可 |
| 技能実習 | 技能実習 | 国際貢献を目的とした実習制度。 自社流に基礎から育成する方針に適する。 |
就労後6ヶ月経過後に算定 ※夜勤は指導員同伴等が必須 |
| 介護留学 | 留学 → 介護 | 日本の介護福祉士専門学校を卒業。 高い専門性と優れた語学力を持つ。 |
卒業・入職初日から算定 ※夜勤等も日本人同等に対応可能 |
| EPA | 特定活動 | 経済連携協定に基づく国家枠組み。 母国で看護・福祉を学んだ高学歴層。 |
就労後一定期間を経て算定 ※国家資格取得が前提の枠組み |
即戦力・夜勤対応・長期雇用を求める介護施設に最も選ばれている「特定技能1号」のメリット
現場の即戦力不足を早期に解決したい介護施設において、現在最も活用されているのが「特定技能1号」です。一定水準の介護技能試験および日本語能力試験(N4以上・介護日本語評価試験)に合格していることが条件となっているため、入職初日から介護保険法上の人員配置基準に算定できます。
さらに、本人の習熟度や業務理解度を見極めたうえで、施設の判断により早期から夜勤シフトに組み込むことも制度上認められています。運用の柔軟性が高く、シフト管理を劇的に改善できる制度です。
育成前提で基礎的な介護技術から丁寧に指導できる「技能実習制度」の特徴と活用メリット
技能実習は、日本で培われた介護技術を母国へ移転する国際貢献を目的とした制度です(※今後「育成就労制度」へ段階的に移行予定)。来日時は介護実務が未経験の人材が中心となるため、「自施設のケア方針や理念をゼロからじっくり叩き込みたい」という施設に向いています。
就労開始から6ヶ月間は人員配置基準の頭数に含められない制約があるものの、受け入れ機関(監理団体)による手厚い巡回指導のもと、着実に育成を進められるメリットがあります。
国家資格(介護福祉士)取得を視野に入れたリーダー候補を採用できる「介護留学」ルートの強み
留学生として来日し、日本の介護福祉士養成施設(専門学校など)で2年以上の正規カリキュラムを修めた人材を採用するルートです。卒業時に在留資格「介護」を取得して入職します。
日本語での専門教育を受けているため日常会話や専門用語の理解が極めてスムーズで、入職直後から日本人スタッフと同等の業務をこなせます。将来の現場リーダーやフロア責任者、後輩外国人スタッフの指導メンターとしての活躍が期待できます。
国家間の協定に基づき厳格な選考をクリアした優秀層を受け入れられる「EPA(経済連携協定)」の特徴
EPA(経済連携協定)は、インドネシア、フィリピン、ベトナムの3カ国と日本政府の間で結ばれた国家プロジェクトです。
候補者は母国の看護学校や高等教育機関を卒業した優秀な人材が多く、学習に対する規律やモチベーションが非常に高いのが特徴です。受入れ要件やスケジュールが厳格に定められていますが、将来の国家資格取得を見据えた極めて質の高い人材を確保できます。
外国人受け入れのメリットだけでなく知っておくべき懸念点・デメリットと現場レベルの解決策

外国人受け入れを成功させるためには、生じうるリスクやデメリットを事前に把握し、現場レベルで先回りした対策を打っておくことが欠かせません。
言葉・記録業務への不安|専門用語の平仮名化(ルビ打ち)や介護ソフトの音声入力活用で解消する
現場が最も不安視するのは「申し送りや介護記録がしっかり書けるか」「専門用語が伝わるか」という点です。日常会話は数ヶ月で上達するケースが多いものの、特有の医療・介護用語や漢字の記述には時間を要します。
解決策:申し送りノートや重要マニュアルの専門用語に平仮名(ふりがな)を添える工夫が有効です。また、近年普及しているタブレット型の介護ソフトや「音声入力機能」、定型文のタップ選択ツールを導入することで、記述にかかる時間を半減させ、誤記入の防止と現場のDXを同時に推進できます。
生活習慣や文化の違い|事前の宗教的配慮の確認と、生活立ち上げ(住居・インフラ整備)の手厚い初期サポート
豚肉を食べない・ハラール食を要するなどの食事制限、お祈り(礼拝)の習慣、ゴミの分別や夜間の騒音といった生活マナーの違いがトラブルになることがあります。
解決策:採用面接の段階で宗教上の習慣や本人の希望を細かくヒアリングし、「勤務中の礼拝時間の取り方」「持ち込み可能な食事」など施設側のルールを明確に取り決めておきます。さらに、来日直後は住居の確保、水道・電気の開通、スーパーでの買い物同行など生活インフラの立ち上げを丁寧に支援することで、生活の不安を取り除き、業務に集中できる環境を整えます。
既存スタッフの受け入れ疲れや反発|日本人職員向け異文化研修の実施と、現場の指導負担を分散する育成体制づくり
「教える手間のせいで自分たちの仕事が増えるのではないか」という既存スタッフの不満や、特定の指導係だけに負担が集中する「受け入れ疲れ」は、現場崩壊を招く危険な要因です。
解決策:受け入れ前に全職員を対象とした「異文化理解研修」を実施し、彼らの文化的背景や受け入れの経営的意義を共有します。また、指導役を1人に固定せず、「生活支援」「食事介助指導」「排泄介助指導」など業務ごとにメンターを分散し、チーム全体で育てる体制を構築することが重要です。
トータル受入コストへの懸念|採用費・渡航費・支援委託費をシミュレーションし派遣費用と比較する
外国人材の受け入れには、採用手数料、在留資格申請費用、渡航費、登録支援機関への月額支援委託費など、日本人の直接採用とは異なるコスト体系が存在します。
解決策:初期費用の一時的な出費だけを見るのではなく、3〜5年間のトータルコストで試算します。高額な派遣介護士を長期雇用し続けた場合のコストと比較すれば、初期費用を含めても大幅に支出を抑えられるケースがほとんどです。採用前に中長期のキャッシュフロー試算をしっかり作成しておくことが推奨されます。
外国人受け入れのメリットを損なわないための「登録支援機関」の選び方と見極め基準
特定技能人材を適正に受け入れるためには、出入国在留管理庁への届出や生活・就労支援を代行する「登録支援機関」の選定が決定的な成否を分けます。
介護現場の実情を知らないブローカー型の紹介・支援事業者を選ぶと現場トラブルが多発する理由
近年、登録支援機関の数は急増していますが、介護現場の実態を全く知らない事業者も混在しています。
「介護報酬の仕組み」「人員配置基準」「現場での申し送り・記録の大変さ」を理解していないブローカー型の事業者に依頼してしまうと、現場が求めるスキルと合致しない人材を紹介されたり、入国後の生活トラブルに迅速に対応してもらえず、結果として早期離職や現場の反発を招く事態に陥ります。
入職前の実践的介護・日本語研修から入職後の定期面談まで、現場視点で伴走してくれる支援体制の重要性
成功している施設が選んでいる支援機関には、以下のような共通の特徴があります。
入職前研修の質:一般的な日本語だけでなく、現場で頻出する介護用語や身体拘束禁止などの倫理教育を事前に行っているか。
多言語での手厚いメンタルケア:入職後も母国語が話せる相談員が定期面談を行い、本人の孤立やホームシックを未然に防いでいるか。
施設管理職へのフォロー:現場の受け入れ担当者と定期的に情報共有し、労務や指導方法について的確な助言ができるか。
現場と外国人材の双方に寄り添い、二人三脚で伴走してくれるパートナーを選ぶことが不可欠です。
介護現場・登録支援の実績を持つ株式会社ASCare(アスケア)が選ばれる理由とサポート体制
株式会社ASCareは、介護業界に特化した深い専門知識と豊富な受入れ支援実績を持つ登録支援機関です。
介護現場を熟知したマッチング:自施設の規模やケア方針、現場の雰囲気にマッチする意欲の高い人材を厳選してご紹介。
実践的な事前研修:現場ですぐに役立つ介護日本語やマナー教育を徹底し、入職時のギャップを極限まで低減。
生活・定着サポート:住居の立ち上げから行政手続き、入職後のメンタルケアまで専任スタッフが迅速に伴走し、高い定着率を実現します。
まとめ|介護施設が外国人受け入れのメリットを活かして安定した施設運営を実現するために

介護現場における外国人材の受け入れは、単なる人手不足の解消にとどまらず、「高額な派遣コストからの脱却」「安定したシフト編成の実現」「温かいケアによる利用者・家族満足度の向上」といった、施設経営の根幹を立て直す強力なソリューションです。
言葉や文化の違いに対する不安は、ICTの活用やルビ打ち、組織全体でのサポート体制を整えることで十分に解決できます。
「人が集まらない」と悩み続け、既存のスタッフが限界を迎えてしまう前に、介護実務に精通した信頼できる支援パートナーとともに、外国人材の受け入れに向けた具体的な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
ASCare(アスケア)は、50年以上にわたり介護に携わってきた知見と、累計3,000人以上の外国人財受け入れ実績(グループ会社含む)をもとに、教育から紹介、定着支援までを一貫して行っています。人財紹介料は0円です。
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