「外国人の介護人財を採用したいけれど、費用はどれくらいかかるのだろう…?」
特定技能「介護」で外国人財を受け入れる際、紹介手数料や支援委託費など、さまざまな費用が発生します。どこにいくらかかるのかが見えにくく、予算を組みづらいと感じている経営者・人事の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、特定技能「介護」の採用にかかる費用の全体像と項目別の相場を整理しました。EPA・技能実習との費用比較や、コストを抑える具体的な方法もあわせてお伝えします。特定技能「介護」の制度そのものについては特定技能「介護」とは?制度の仕組みと受け入れ条件をわかりやすく解説で解説しています。
特定技能「介護」の採用にかかる費用の全体像
特定技能「介護」で外国人財を受け入れる費用は、大きく「初期費用」と「月額費用」に分かれます。まず全体像を押さえましょう。
初期費用の内訳
採用の段階で一度だけ発生する費用です。

| 費用項目 | 内容 | 相場 |
|---|---|---|
| 人財紹介手数料 | 紹介会社への成功報酬 | 年収の20~35%程度が目安 |
| 在留資格申請費用 | 行政書士等への申請代行 | 10~20万円 |
| 渡航費 | 海外から呼び寄せる場合の航空券代 | 4~10万円 |
| 住居準備費 | 敷金・礼金・生活必需品の準備 | 15~25万円 |
| 健康診断費 | 入国前後の健康診断 | 1~2万円 |
海外から新たに人財を受け入れる場合、初期費用の合計は1人あたりおおむね60〜120万円程度になります。すでに国内に在留している方を採用する場合は、渡航費や住居準備費を抑えられるため、40〜80万円程度が目安です。
月額費用の内訳
入職後に毎月かかる費用です。
| 費用項目 | 内容 | 相場 |
|---|---|---|
| 登録支援機関への委託費 | 義務的支援の実施委託 | 月2~3万円/人 |
| 住居手当 | 社宅や借上げ住宅の家賃補助 | 施設の方針による |
| 日本語学習支援費 | オンライン研修・教材費等 | 数千~1万円/人 |
出入国在留管理庁の調査によると、登録支援機関への月額委託費の平均は約28,000円です。全体の約7割が月15,000〜30,000円の範囲で契約しています(出入国在留管理庁「登録支援機関の支援の実施状況等に関する調査」)。
介護費用の相場を項目別に解説
全体像をつかんだところで、特に金額が大きい項目を詳しく見ていきます。
介護人財の紹介手数料
人財紹介会社を利用する場合、想定年収の20〜35%程度が手数料の目安として案内されるケースが多く見られます。介護業界は人手不足が深刻なため、30%以上に設定されるケースもあります。
たとえば、想定年収が250万円の場合、紹介手数料は50万〜87万円になります。想定年収が300万円なら60万〜105万円です。紹介手数料は初期費用の中でもっとも大きな割合を占めるため、ここをどう抑えるかが全体のコストに直結します。
登録支援機関への委託費
特定技能外国人を受け入れる事業者には、生活オリエンテーションや定期面談など10項目の「義務的支援」が課されています。自社で対応することも可能ですが、多くの事業者は登録支援機関に委託しています。委託費の相場は月2〜3万円/人です。
登録支援機関を選ぶ際は、費用だけでなく支援の質にも目を向けてください。委託費が安くても支援が形だけになっていれば、外国人財が職場になじめず離職につながりかねません。介護分野の実績、母国語での対応体制、緊急時の連絡体制が選定のポイントになります。登録支援機関の選び方について詳しくはEPA・技能実習・特定技能・在留資格「介護」4つのルートを徹底比較もご覧ください。
見落としやすい費用
紹介手数料や委託費以外にも、次のような費用が発生することがあります。事前に把握しておくと、あとから「こんなはずでは」となるのを防げます。
- 在留資格の更新費用: 特定技能1号は、法務大臣が個々に指定する在留期間になり、その更新のたびに行政書士への代行費用(3〜8万円/回)がかかります
- 生活立ち上げ費用: 銀行口座開設の付き添い、携帯電話の契約サポートなど、入職直後に手間と時間がかかります
- 日本語研修の継続費用: 入職後も日本語力の向上は不可欠です。オンライン研修や教材費として月数千円〜1万円程度を見込んでおくと安心です
EPA・技能実習・特定技能のコスト比較
外国人介護人財の受け入れには、特定技能のほかにもEPA(経済連携協定)や技能実習(2027年4月以降は育成就労制度に移行予定)のルートがあります。それぞれの費用を比較してみましょう。制度の仕組みや要件の違いについてはEPA・技能実習・特定技能・在留資格「介護」4つのルートを徹底比較で詳しく解説しています。
3制度の費用比較表
| 費用項目 | EPA | 技能実習 | 特定技能 |
|---|---|---|---|
| 初期費用(1人あたり) | 約60万円〜 | 約70〜160万円 | 約40〜120万円 |
| 紹介・あっせん手数料 | 約14万円(JICWELS) | 送出機関費含む | 年収の20〜35%程度が目安 |
| 日本語研修費 | 約36万円(来日後研修) | 送出機関が実施 | 来日前に受験済み |
| 月額管理費/委託費 | 約2万円/人(JICWELS) | 約3〜5万円/人(監理団体) | 約2〜3万円/人(登録支援機関) |
| 在留期間 | 最長4年(合格で永続可) | 最長5年 | 最長5年(介護は2号対象外) |
| 採用の自由度 | 低い(国・手続き限定) | 中(監理団体経由) | 高い(転職も可能) |

※ EPAのあっせん手数料はJICWELS公表の144,540円(税込)を参考値として記載。技能実習の初期費用は監理団体や送出機関により幅があります。
トータルコストで見た特定技能の位置づけ
初期費用だけを比較すると、EPAの方が紹介手数料は低く見えます。しかしEPAは来日後に約6ヶ月の研修期間があり、その間も給与の支払いが必要です。採用から就労開始までの期間が長く、総コストは高くなりがちです。
技能実習は監理団体への管理費が月3〜5万円かかるうえ、初期費用も比較的高額です。
特定技能は、紹介手数料が高くなる可能性はあるものの、入職までが比較的早く(約4〜6ヶ月)、月額の支援委託費も抑えやすい制度設計になっています。紹介手数料を抑えられれば、トータルコストでもっとも有利になるケースが多いです。
「うちの施設にはどの制度が合っているのか」「費用のシミュレーションを見てみたい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。累計3,000人以上の受け入れ実績から、貴施設に合ったご提案をいたします。

採用コストを抑える3つの方法
費用の相場を見て、「思ったより高い」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、やり方次第でコストは大きく変わります。
紹介料が発生しない紹介元を選ぶ
採用コストの中でもっとも大きな割合を占める紹介手数料。ここを抑えることが、費用削減の最大のポイントです。
一般的な紹介会社では年収の20〜35%程度の手数料が目安になりますが、自社で海外に教育拠点を持ち、直接人財を育成・紹介している機関を選ぶと、紹介手数料が発生しないケースがあります。
ASCareでは紹介料が無料です。海外の現地法人で教育を行い、直接紹介する体制をとっているため、中間マージンが発生しません。紹介手数料がゼロになるだけで、1人あたり数十万円の初期費用を抑えられます。教育から紹介、入職後の定着支援まで一気通貫で対応しているため、複数の業者とやり取りする手間もかかりません。
助成金・補助金を活用する
外国人財の採用に使える助成金・補助金もあります。
国の制度:
- 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース): 就業規則の多言語化、通訳費用、相談体制の整備などにかかる費用の一部を助成。上限57万円〜72万円(厚生労働省)
自治体の制度(例):
- 東京都「外国人介護従事者受入れ環境整備等事業」: 日本語学習支援や研修費用を助成
- そのほか多くの都道府県で、介護分野の外国人財受け入れに関する補助金制度が設けられています
自治体ごとに対象要件や金額が異なるため、所在地の自治体の福祉部門に確認してみてください。初期費用のかなりの部分をカバーできる場合があります。
定着率を上げて採用サイクルを減らす
見落とされがちですが、もっとも効果の大きいコスト削減策は「定着率を上げること」です。
1人の外国人財が1年で離職した場合、再び採用にかかる費用(紹介手数料・申請費用・教育コスト)をゼロから負担することになります。5年間勤務する人財と比べると、コストの差は数百万円に及ぶこともあります。
定着率を上げるには、生活面と仕事面の両方で丁寧なサポートが欠かせません。ASCareでは「生活・仕事・学習・感情」の4つの軸で定着支援を行い、外国人財が安心して長く働ける環境づくりを支援しています。定着率を高めるための具体的な取り組みは外国人介護士の定着率を上げる方法|離職を防ぐ5つの取り組みでまとめています。
外国人財の受け入れに不安がある方は外国人介護士の受け入れが不安な施設長へ|よくある5つの不安と解決策もあわせてご覧ください。
まとめ
特定技能「介護」の採用にかかる費用を整理しました。
- 初期費用: 1人あたり40〜120万円(国内採用か海外採用かで変動)。紹介手数料がもっとも大きい
- 月額費用: 登録支援機関への委託費は月2〜3万円/人が相場
- 3制度比較: 特定技能は、紹介手数料を抑えればトータルコストで有利になりやすい
- コスト削減のカギ: 紹介料が無料の紹介元の活用、助成金の申請、そして定着率の向上
費用を抑えることは大切ですが、「安さ」だけで選ぶと、支援の質が落ち、結局は早期離職や追加コストにつながりかねません。教育の質、支援体制、定着への取り組みを総合的に見て、信頼できるパートナーを選ぶことが、長い目で見たときのコスト削減につながります。
外国人財の受け入れは、一時的な人手不足を補うためだけの取り組みではありません。共に働く仲間を迎え入れ、長く安心して働ける環境を整える。その積み重ねが、施設の未来を支える力になっていきます。
参考リンク
- 出入国在留管理庁「特定技能制度について」
- 出入国在留管理庁「登録支援機関の支援の実施状況等に関する調査」
- 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」
- 公益社団法人 国際厚生事業団(JICWELS)「EPA介護福祉士候補者受入れについて」
ASCareは介護事業50年以上の歴史を持ち、累計3,000人以上の外国人財を受け入れてきました。紹介料は無料です。教育から紹介、入職後の定着支援まで一気通貫で寄り添います。